猛暑が続く令和6年の夏、東京では2日続けて人生で経験したことのない大雨が降った。梅田に向かう深夜バス、静岡では大雨による交通規制が出るほどの土砂降り。高校野球が熱を帯びる関西では17日間、好天に恵まれた。甲子園の100周年を神様も祝福。 8月23日、…
プレミア12が終わって1ヶ月。大会期間中は仕事をストップしてアジアを彷徨い、大会後も著書『燃月(ねんげつ)』の執筆に命を燃やした。WBCがシーズン前に昇る太陽なら、プレミア12はシーズン後に現れる月。どちらかが欠けても空は寂しくなる。第3回大会を振…
プロ野球はソフトバンク、オリックス、阪神、広島と西高東低。アマチュア野球においては高校野球の甲子園がある西が圧倒的なブランドを誇る。野球のメッカは西なのか東なのか。 日本の野球の興りは1871年に大阪でアメリカの水兵から日本人に伝えられたと研究…
甲子園、都市対抗、プロ野球の後半戦。それより早く、野球の夏は全日本大学野球日本選手権で幕が開ける。夏祭りの先陣を切るのが大学生たち。 全日本大学野球選手権大会は1952年のはじまり。日本の大学野球は一部だけで29のリーグがある。東都のように二部や…
土曜日のベルーナドーム、日曜日の巨人vs.阪神戦、そして月曜も野球観戦3連発。灼熱の甲子園を越えてきた高校球児たち、アメリカに渡って米国代表との激闘を勝ち切った大学生。高校日本代表vs.大学日本代表。侍ジャパン同士の贅沢な対決が観られるのはこの日…
プレミア12を追いかけた電子書籍を発売しました Amazon Kindle :『燃月』 プロ野球やメジャーリーグは秋に頂点を決めるが、アマチュア野球は夏にクライマックスを迎える。7月に社会人野球の都市対抗、8月に高校野球の甲子園大会があり、夏祭りの先陣を切る…
プロ野球の春季キャンプが始まると代表監督の動きも活発になる。3月と11月に侍ジャパンの試合が2年連続であるのは球史で初。晩秋の大一番に向けて春と秋がキャッチボールする。現在の侍ジャパンはWBCや五輪の幕間の扱いを受けているが、むしろ去年がプレミア…
エスコンフィールドHOKKAIDO 札幌ではなく北広島という小さな町に日本一の野球場がある。石狩平野の中央に位置し、明治の開拓で広島からの入植者が集落をつくったことから「北広島」になった。東広島市と姉妹都市。人口5万6000人。生まれ故郷、奈良県桜井市…
エスコンフィールドHOKKAIDO ドラフトはスカウトが選び、スタメンは監督が選び、侍ジャパンは首脳陣が協議して選ぶ。オースターはファンが選ぶ。お金を払うプロがお金をもらうプロを選ぶ。そのAll-Star-Gameに9選手も選ばれたのが日本ハムである。 北海道へ…
70年代、アメリカで売れない本の2大巨頭が日本人の本、野球の本だった。野球は止まっている時間が長いスポーツ。考える時間が長く、頭のスポーツ。映像で分かるのは氷山の一角。最も頭を駆使するスポーツであり。活字ベースボールに触れることで、野球の真の…
韓国の釜山は博多港からフェリーで3時間。陸路で東京に行くより早く「日帰り釜山」の小旅行を経験している人もいる。長崎の対馬からも釜山の山が見え、戦前は釜山の病院に通う島民もいた。2004年の映画『チルソクの夏』では下関の女子高生が韓国人の友達に夏…
同じルールなのに野球ほどプレーする場所の特徴が違うスポーツはない。野球場こそがベースボール最大のアイデンティティ。2024年8月27日、福岡ドームを訪れてプロ野球の本拠地・準本拠地13の球場をすべて訪れた。その集大成として「ひなたサンマリンスタジア…
プレミア12の決勝戦が終わった翌朝、神宮球場へ向かった。明治神宮大会を観るためだ。立命館大学の後輩・桜井俊貴が投げて以来、9年ぶりの観戦。きっと井端監督も来ていると思ったが予想どおりだった。 明治神宮野球大会 横浜高校vs.広島商業 青山学院vs.創…
プレミア12のグループAを突破してきたベネズエラ(1位)とアメリカ(2位)を紹介。両国とも日本戦でエースをぶつけてくる。アメリカは来季以降にメジャーリーグを経験する20代前半の若者、ベネズエラはかつてメジャー経験がある30歳以上のベテランが多い。対…
台湾代表が勝利すると台北101に「中華隊WIN」が点灯する 日本、メキシコとともに開催国のホストとなる台湾。CPBL(台湾プロ野球)から26人、米国マイナーリーグ所属2人の28人が代表選出。日本、韓国、キューバが強敵のグループBでスーパーラウンド(2次ラウ…
台北駅にはクリスマスツリーが設営。半袖でも蒸し暑い。この国に冬は来るのだろうかと思う気温。桃園国際空港に着いたのが14時前。そこから切符を買うのに苦労し、ようやくホテルにチェックイン。もう16時過ぎ。急いでホテルを出る。 プレミア12台湾ラウンド…
ホテルに外に出ると秋風が吹き、半袖が少し肌寒い。今日でオープニングラウンドを終える台北も秋に向かう。消化試合とはいえ、3日後から最後の激闘が始まる。ラストスパートで山を登り切るには「勢い」が大切となり、ブレーキを踏むとスーパーラウンドへの流…
早朝に降った雨は昼には小雨になっていた。直撃する予報だった台風25号「ウサギ」が熱帯低気圧に変わった。それでも試合中は雨予報。3試合で30安打18得点の侍ジャパンが調子を維持できるか、それとも大会の流れを変えるレイン・ベースボールになるか。 昨日…
朝5時32分に起き、6時半にホテルを出る。空は灰色。スパイシーな台湾の香りに湿っぽい匂いがまじっている。雨が近い。帰りにコンビニでビニール傘を買おう。土曜日の街道は人が多い。 7時14分に「華山市場 阜杭豆漿」に到着。先頭が見えないほどの列。100人…
いよいよ侍ジャパンの台北ラウンド初戦。開幕戦の台湾に敗れたことで目の前に茨の道をつくってしまい背水の陣で挑む韓国代表。 侍ジャパンのトップチームと韓国が第三者の国で戦うのは2009年WBCの決勝戦以来。イチローが決勝タイムリーを打った試合、今回の…
プレミア12初代王者。第2回大会の準優勝。プレミア12の盟主である韓国代表。オープニングラウンドでは日本と同じグループBに所属し、最大級のライバルとなる。井端監督も宮崎キャンプ直前まで韓国リーグを視察し、最も警戒しているチーム。 ポジション 選手…
10月29日にスタートした宮崎合宿から16日。いよいよ迎えた開幕戦。 11月13日水曜日は気温23度。雲ひとつない快晴。熱々のアスファルトがナゴヤドームを目玉焼きのように焼く。弟が奈良の実家から車を運転してくれ正午に到着。 目と鼻の先のお好み焼き屋さん…
2024年10月9日、チェコ代表との壮行試合まで1ヶ月を迎えたタイミングで「プレミア12」の侍ジャパン・日本代表28人の選手、5人のコーチが発表された。 ポジション 選手名 背番号 所属 監督 井端 弘和 89 ヘッドコーチ 金子 誠 88 千葉ロッテマリーンズ バッテ…
昨年のWBCが彗星のごとく現れたチェコ共和国。これまで点でしかなかった野球の国際大会を「線」の大河ドラマにする。WBSCが定めるランキングで15位のチェコはプレミア12の本戦に出場できないが、その代わり台湾と日本の壮行試合の相手を務める。チェコと日本…
侍ジャパンの開幕カードの相手は前回大会に続いて2度目のプレミア12出場、そしてWBCベスト8のオーストラリア代表。WBC、アジアCSでは7-1、10-0と完勝したものの、今回のプレミア12が最も手強い。特に打線は強力。今大会で最も躍進する可能性のあるコアラのマ…
直前合宿は本番以上に重要な存在。まだチームワークができておらず、"選手の寄せ集め"をチームにしていくのが直前合宿。ともに汗を流し、泥だけになって初めて"侍ジャパン"は構築される。 10月28日(月) キャンプ前日 10月29日(火) キャンプ初日 10月30日…
1990年に刊行された山際淳司さんの『野球雲の見える日』に「忘れられた殿堂」という一遍がある。後楽園球場から東京ドームに移転する前の野球殿堂博物館を描いた短いコラム。1959年(昭和34年)6月12日、 後楽園球場横に開館。山際淳司さんは60年代から70年…
プレミア12優勝候補の一角であり、日本の最大のライバルになる可能性のあるキューバ。WBCでベスト4に入った昨年より強い可能性がある。特にモイネロ、マルティネスの両投手の実力がずば抜けているため、日本戦で登板すると最強の敵。ボロボロに惨敗して朽ち…
2024年プレミア12では日本、台湾、メキシコの3カ国で6つの野球場が本戦の舞台となる。侍ジャパンは練習試合、強化試合、本戦を含めて5球場を巡る。宮崎、名古屋、台北、東京。旅のプロセス順に紹介していく。 日本代表の日程 オープニグラウンド スーパーラ…
Amazon Kindle『WBC 球春のマイアミ』より一部を抜粋。我々を空前絶後の熱狂に巻き込んだ第5回WBCとはなんだったのか。総括する。 コロナを超えたスポーツ 侍ジャパン7戦全勝で幕を閉じたWBC。開幕前に書いたように、このタイミングで開催されたことが成功に…