2024年からプロ野球の2軍が12球団から14球団になった。ハヤテ223(ふじさん)とBCリーグの新潟アルビレックス・ベースボール・クラブがNPBに参戦。他の12球団と違い1軍を持たないという特殊事情がある。新潟アルビレックスの創設は2006年だが、今年から元プロ野球選手が参戦したことで別の新規チーム。本拠地はHARD OFF ECOスタジアム新潟。
7月4日(木)、13時からのプレイボールに向けて新潟県立近代美術感銘から長岡市悠久山(ゆうきゅうざん)野球場を目指す。歩いて2時間。すでに11時を回っており試合開始に間に合いそうにない。球場に着いたときは、すでに2回表。威勢のいい声が聴こえてくる。ファンの応援では無さそうだ。
炎天下を2時間歩いたので、台湾いちごサイダー。巨人ファンには懐かしい陽岱鋼のコラボグルメ。果実感というか果実の量が凄い。大量の汗をかいたあとには超のつく甘さが美味しい。この日の観衆は400人。満員なら8000人を収容できる。1軍と違って審判は3人。
二塁の塁審がいない。今や飛ぶ鳥を落とす勢いのプロ野球だが1軍と2軍では天国と地獄。昔風の言い方をすれば「ドサ回り」である。
キャッチしたファウルボール。ミズノ製で革の質がいい。1軍ならスタッフが回収に来るが2軍にそんな人件費はない。ここにも差が出ている。
威勢のいい声の主は対戦相手のベイスターズベンチ。総会屋のような威圧感、お祭りのテキ屋のような威勢。球場も大爆笑。これも2軍のプロ野球観戦の醍醐味。1軍と違ってベンチの声が聞こえる。
19歳の松尾汐恩も先輩からの可愛がりが見てとれる。愛されキャラなのか、チーム力の証。
一方のオイシックス新潟のベンチは大人しい。今年結成されたばかりだが、もう前半戦を折り返したとこ。来年、再来年とベンチのボリュームが上がるとチーム力アップの証。ただし、彼らのモチベーションはベイスターズとは違うところにある。通常は2軍で良い成績を残せば、その日からでも1軍に呼ばれ、眩いスポットライトを浴びる。しかし、1軍のチームを持たないオイシックス新潟の選手は10月末に行われる秋のドラフト会議での指名を目指すことになる。
少なくとも今年いっぱいは2軍で成績を残さなければいけない。その上、高校生や大学生など若い才能あふれる野球の世界において、ベテランの選手が他チームから指名されるとは限らない。ゴールのないマラソンをするかもしれないのだ。
独立リーグ出身からのプロ野球選手といえばWBC戦士にまでなった阪神タイガースの湯浅京己が記憶に新しい。千葉ロッテの角中勝也は四国アイランドリーグのトライアウトを受け高知ファイティングドッグスへ入団し、首位打者や最多安打を獲得。2013年にはWBCの侍ジャパンに選出されている。ただし、それは20代前半の若いとき。今回のような一度プロの栄光を味わったオールド・ルーキーではない。
この日は陽岱鋼も田中俊太も元ジャイアンツ組が大活躍。陽岱鋼は猛打賞。途中交代したが、なぜMVPに選ばれないのか不思議だった。
ピンチを招いた三上もなんとか1回を零封。それで最優秀リリーフに選ばれているから基準が不明。審判の数といい、ドサ回り感が強い。2軍とはいえ狭きプロ野球の門。もう少し改善できないだろうか。
新潟がサヨナラ内野安打で勝利。ボテボテの当たりだから打球が遅くランナーが生還。良い当たりなら守備が素早く処理してアウト。ミスショットが成功につながることがある野球というスポーツの面白さ。
なぜか9回の代走がMVP。20歳の若者に花を持たせたのか。アルビレックスの生え抜きだから贔屓もあるかもしれない。
帰りは選手が観客をお見送り。四国アイルランドリーグができたときの空気に似ている。選手もファンもこれから。地元球団だから好きなのは間違いない。愛されるチームになるか。そしてドラフトで指名される選手は現れるか。
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— YAMATO (@yamatoclimber) 2023年11月9日
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