【拡散ご協力お願いします】
— YAMATO (@yamatoclimber) 2023年11月9日
デビュー著書『WBC 球春のマイアミ』をAmazon Kindleより出版しました。
侍ジャパン誕生から優勝まで全試合、参加国すべての野球文化、日本以外の22試合を取り上げています。
世界一詳しいWBC書籍、感謝価格の390円。下記よりご覧ください。https://t.co/2jiMPkEGc3 pic.twitter.com/dncnlTNN4k
最後に横浜の埠頭に来たのは野球を題材にした映画『バンクーバーの朝日』のエキストラに参加した10年前。プロ野球のシーズン前でガランとした横浜スタジアムを見上げていた。今は真夏の熱狂空間に変わっている。
毎週のようにWBC戦士を追いかけているが、最も観たかったのが今永昇太。決勝戦の先発を務めるのは、全世界のピッチャーの夢。その大役を見事に果たし、真っ向勝負のストレートでねじ伏せたことに心を打たれた。
しかし8月は3戦未勝利と勝利の女神に見放され、前回登板は今季ワーストの6失点。さらに主力のひとり宮﨑敏郎を怪我で欠く。こんな最悪の状況を打破してこそ本物のエース。今ドキSNSをやらない珍しい男。
15時に仕事を切り上げ、新宿から湘南新宿ラインで横浜駅、京浜東北線に乗り換え関内駅へ。構内は横浜ブルー。非日常の世界が広がる。
駅近という言葉があるが、駅を出ると眼前にスタジアムが現れるのは圧巻。東京ドームより近い。赤煉瓦の外壁が街を映す鏡で見事。これまで訪れた球場の中でもかなりポイントが高い。
ちょうど広島のバッティング練習。これまでの球場で最も狭く感じる。とにかく見やすい。パワーヒッターが場外ホームランを打つのも納得。席は雨でびしょびしょ。侍ジャパンのタオルを座布団代わりにする。
横浜スタジアムの前身・横浜公園球場はベーブ・ルースやルー・ゲーリッグがプレーした。
かつての面影はないが、壁の赤レンガも見事。
球場メシは今永昇太も大好きという目玉チャーハン。青星寮カレーも有名だが、ハマスタには中華が合う。
ベイカラは唐揚げだが、やはりこの時期は「みかん氷」。甲子園のかちわりのような清涼を届けてくれる。
横浜の守備練習。3年目の若手どころかモルツ球団にいても違和感ない牧秀悟の貫禄。一塁のネフタリ・ソトはWBCのプエルトリコ代表。この一、二塁間コンビは熱い。
ホームチームではなく、赤く染まったレフトスタンドの観客をおもてなしのスターマンとキララ。広島ファンからも、かなり可愛いと声が上がる。つば九郎のような図々しさが皆無。
腰にタオルを刺してるのがファッショナブル。
試合開始が近づくと小雨が降ってきた。本降りになってピッチャーの調子が狂わないか心配したが、すぐに雨はやんだ。
登板に備え今永がウォームアップ開始。ベイスターズはバウアーが中4日で投げるため、他のピッチャーの登板も少し変則になる。
今永は中5日。体調を整えることを優先し、ストレスを溜めないようにガリガリくんを食べている。長袖のアンダーシャツを着るピッチャーが多いなか半袖。少年野球の匂い、高校球児のような残照がある。
始球式の間は帽子とグローブをマウンドに置き、腕を組んで見守る。こんな丁寧に始球式を待つピッチャー初めて。高校球児感が凄い。
18時プレイボール。ピッチャーとバッターが向き合う瞬間。ガンマンの決闘のような緊張感がある。18.44mの制空圏を支配するのはどちらか。
藤川球児なみのストレートを観れるか期待したが、疲労の蓄積なのか、まったくキレなし。ピッチャーの九里からも空振りを奪えないほど。完全な棒球に見えた。
途中から変化球主体にチェンジするも、変化球を生かすも殺すもストレート。兎にも角にも今永の生命線はストレート。球速は最速149キロだが、150キロ台が出てこその今永。大谷翔平、ダルビッシュ、佐々木朗希とWBC先発組は調子を落としている。調子の悪いときに試合を作れるのが真のエース。
5回を投げ、球数96、被安打7、奪三振8。これだけ調子が悪くて8つも三振を奪うのは意味不明。メジャー志望の今永だが、果たして横浜のダイヤのAになれるか。日本で一番好きなサウスポーとして期待したい。
エースが炎上すれば、打線も崩壊。広島の九里亜蓮に完封負け。
頼れる主砲の牧もポテンヒットがやっと。
ソトも本塁打こそないが、レフトフェンス直撃の当たりを放つ。巨人も何度ソトにやられたか。
これほどのローボールヒッターは見たことない。
堂林翔太は今永から2打席連発。先週のナゴヤドームでもホームランを見てるので2試合で三発。これが巨人の選手だったら、どれほど嬉しいか。
カープの外野陣が好守連発。 これぞ野球の面白さ。いくら良い当たりでも守備が良ければ失敗になる。逆にポテンヒットでもノーマンズランド(守備がいない場所)に落とせば成功。野球が奥深いスポーツである理由のひとつ。
9回裏、どう見ても完封負けムードなのに健気に応援するスターマン。地上の星は明日もベイスターズファンを癒す。