出場選手
監督・コーチ陣
- 監督:井端 弘和(89)
- ヘッドコーチ:金子 誠(88)
- バッテリーコーチ:村田 善則(74/巨人)
- 投手コーチ:能見 篤史(84)
- 投手コーチ:吉見 一起(81)
- 内野守備・走塁コーチ:梵 英心(77/阪神)
- 外野守備・走塁コーチ:亀井 善行(79/巨人)
- 野手総合コーチ:松田 宣浩(71)
投手
- 森浦 大輔(13/広島)
- 隅田 知一郎(14/西武)
- 大勢(15/巨人)
- 種市 篤暉(16/ロッテ)
- 伊藤 大海(17/日本ハム)
- 髙橋 宏斗(19/中日)
- 曽谷 龍平(20/オリックス)
- 金丸 夢斗(21/中日)
- 及川 雅貴(37/阪神)
- 藤平 尚真(46/楽天)
- 北山 亘基(57/日本ハム)
- 平良 海馬(61/西武)
- 西口 直人(62/楽天)
- 松本 裕樹(66/ソフトバンク)
- 松山 晋也(90/中日)
捕手
- 若月 健矢(4/オリックス)
- 岸田 行倫(10/巨人)
- 坂本 誠志郎(12/阪神)
- 中村 悠平(27/ヤクルト)
内野手
- 牧 秀悟(2/DeNA)
- 牧原 大成(5/ソフトバンク)
- 村林 一輝(6/楽天)
- 岡本 和真(25/巨人)
- 小園 海斗(51/広島)
- 野村 勇(99/ソフトバンク)
外野手
- 森下 翔太(1/阪神)
- 五十幡 亮汰(50/日本ハム)
- 岡林 勇希(60/中日)
日程
- 2025年11月15日(土)日本 vs 韓国 18時30分試合開始
- 2025年11月16日(日)日本 vs 韓国 19時00分試合開始
会場
東京ドーム
グラウンドの芝は、すでに夏の緑を失っている。風は冷たく、ベンチの奥にはシーズンの疲れを残した選手たちの姿がある。それでも侍たちは、再びユニフォームを着る。
胸には「JAPAN」の文字。
シーズンが終わり、少しだけ静けさを取り戻した球場に、新しい声が響く。
11月に行われる「侍ジャパンシリーズ」は、ただの親善試合ではない。翌春の国際大会を見据えたチーム結成の“予行演習”であり、実戦を通じて“チーム”という輪郭を確かめるための、実戦的な適応テストの舞台でもある。
2022年の侍ジャパンには、翌年のWBCに出場する選手が数多くいた。
佐々木朗希、今永昇太、伊藤大海、大勢、宮城大弥、高橋奎二、源田壮亮、牧秀悟、村上宗隆。全30人中15人が翌年も代表入りという事実が、このシリーズが実戦を通じたチーム形成の出発点であったことを雄弁に物語る。
だが、この舞台の価値は、数字だけでは測れない。若手の抜擢も目立つ。
大勢、湯浅京己、牧秀悟。
それぞれが、短い登板、限られた打席の中で自分の存在を刻みつけた。選手たちは、未来の扉を叩くような気持ちでこのグラウンドに立っていた。
そして、11月という季節。
プロ野球選手にとっては、「燃え尽き症候群」になりがちな時期だ。半年以上に及ぶシーズンを戦い抜き、心身ともに限界。それでも、この舞台で再びスパイクを履く。この代表戦は、モチベーションを再点火する場でもある。来年への挑戦を意識し、また新しい闘志が芽生える。
選手たちにとって、このシリーズは締めくくりではなく、コンディション調整と“シーズンの延長線”にある戦い。
観客席にもまた、静かな熱がある。シーズンが終わり、“野球ロス”の時期に行われる侍ジャパンシリーズは、ファンにとっても大切な時間だ。
贔屓チームの垣根を越え、国の代表として戦う選手たちを見守る。それは、シーズンの延長線上にある夢の時間。野球という物語が、まだ終わっていないことを教えてくれる。
やがて春が来て、WBCの舞台で日本が歓喜の輪をつくったとき、人々の記憶のどこかに、この秋の夜の光が残る。あの日の静けさの中で、確かに何かが始まっていたのだ。
「侍ジャパンシリーズ」は、終わりではなく始まり。季節の境目に生まれる、日本野球の鼓動そのものなのである。
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