ベースボール白書

野球観戦、野球考察。活字ベースボールを届けます。『WBC 球春のマイアミ』をリリースしました。

大学野球

日米大学野球選手権2025年〜侍たちの五夜、神宮の一夜、夏の向こうに、侍ジャパンがいる

「日米野球」と聞いて、少し胸がざわつくのは、昭和生まれ、平成前期の記憶を持つ野球ファンだ。 まだインターネットもなかった時代、テレビ画面の向こうに映るアメリカは別の惑星のようで、やって来るメジャーリーガーは、神話の登場人物だった。 プロ野球…

第74回全日本大学野球選手権2025〜神宮に咲いた傘の花、青空よりも眩しかった声

雨の季節の球音は物語の香りがする。 甲子園で球春の訪れを告げるセンバツ、夏の終わりを告げる選手権。あるいは、晩秋の神宮に燃え残る明治神宮大会。 全国大会のなかでも違う趣を持つのが、6月に神宮球場で行われる全日本大学野球選手権だ。 初夏。晴れ渡…

100年目の六大学野球〜六つの色が描いた神宮を渡る百年の風

2025年は昭和100年にあたる。その年に東京六大学野球が100周年を迎えた。 全国制覇をかけた戦いでもない。東京という一都市に根を下ろした六つの大学だけで、一世紀もの時間を積み重ねてきた。そのことの重みを、全国の野球ファンも、もう少し、静かに驚いて…

東都大学野球2025、春風が、野球を記憶する

東都大学野球連盟は、1931年に創設された大学野球のリーグ。発足時は、中央大学、日本大学、専修大学、國學院大學、東京農業大学が加盟する五大学野球連盟(新五大学野球連盟)という名称だった。初代の優勝は専修大学。 東都大学野球の歴史 第1試合:青山学…

早慶戦というウエストサイド物語〜春の慶早戦2023

野球ファンに共通の印籠がある。 早慶戦 たかが大学野球の、しかも関東の東京都に限定した2校の戦いに、全国の野球ファンは憧憬と敬仰を抱く。日本の大学スポーツにおいて、箱根駅伝と早慶戦はローカルな戦いにもかかわらず全国津々浦々に名を轟かせる。 慶…

全日本大学野球選手権〜ブルーはBlueの夢を見る

プロ野球はソフトバンク、オリックス、阪神、広島と西高東低。アマチュア野球においては高校野球の甲子園がある西が圧倒的なブランドを誇る。野球のメッカは西なのか東なのか。 日本の野球の興りは1871年に大阪でアメリカの水兵から日本人に伝えられたと研究…

東京ドームの全日本大学野球選手権

甲子園、都市対抗、プロ野球の後半戦。それより早く、野球の夏は全日本大学野球日本選手権で幕が開ける。夏祭りの先陣を切るのが大学生たち。 全日本大学野球選手権大会は1952年のはじまり。日本の大学野球は一部だけで29のリーグがある。東都のように二部や…

全日本大学野球選手権2023

プロ野球やメジャーリーグは秋に頂点を決めるが、アマチュア野球は夏にクライマックスを迎える。7月に社会人野球の都市対抗、8月に高校野球の甲子園大会があり、夏祭りの先陣を切るのが6月の全日本大学野球選手権大会。 全日本大学野球連盟が主催し、全国の…

明治神宮野球大会〜青学最強の証明と横浜高校の怪物

プレミア12の決勝戦が終わった翌朝、神宮球場へ向かった。明治神宮大会を観るためだ。立命館大学の後輩・桜井俊貴が投げて以来、9年ぶりの観戦。きっと井端監督も来ていると思ったが予想どおりだった。 明治神宮野球大会 横浜高校vs.広島商業 青山学院vs.創…

グリーンスタジアム神戸〜八月のカクテル光線

甲子園や大阪ドームと違い、野球ファンしか名前を知らず、オリックスの準本拠地である「グリーンスタジアム神戸」。正式名称は「神戸総合運動公園野球場」 神戸にあるのにアクセスは不便。神戸市営地下鉄の西神・山手線で「総合運動公園駅」を目指す。すでに…